○門川町犯罪被害者等支援条例

令和5年12月13日

条例第23号

(目的)

第1条 この条例は,犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号。以下「法」という。)に基づき,門川町(以下「町」という。)における犯罪被害者等の支援のための基本となる事項を定めることにより,犯罪被害者等が必要とする支援を総合的に推進し,もって犯罪被害者等が受けた被害の軽減及び回復を図るとともに,町民が安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 犯罪等 法第2条第1項に規定する犯罪等をいう。

(2) 犯罪被害者等 法第2条第2項に規定する犯罪被害者等をいう。

(3) 町民等 町に住所を有する者又は町内に通勤し,若しくは通学する者(次号に掲げる事業者を除く。)をいう。

(4) 事業者 町内において事業活動を行う個人又は法人その他団体をいう。

(5) 関係機関等 国,都道府県,警察その他の行政機関,犯罪被害者等の支援を行う公共的団体又は民間の団体その他の犯罪被害者等の支援に関係するものをいう。

(6) 二次被害 犯罪等による直接的な被害を受けた後に,犯罪被害者等への配慮を欠いた言動,中傷,報道等により,犯罪被害者等が正当な理由なく受ける精神的な苦痛,心身の不調,名誉の毀損,平穏な生活の侵害,プライバシーの侵害,経済的な損失等の二次被害をいう。

(基本理念)

第3条 犯罪被害者等は,個人としての尊厳が重んぜられ,その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。

2 犯罪被害者等への支援は,迅速かつ公正に行うとともに,犯罪被害者等の経済負担について適切に配慮された,利用しやすいものであるものとする。

3 犯罪被害者等への支援は,犯罪被害者等が犯罪等により受けた被害又は二次被害の状況及び原因並びに犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて,適切に行われるものとする。

4 犯罪被害者等の支援は,犯罪被害者等が被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間,必要な支援を途切れることなく受けることができるよう行われるものとする。

5 犯罪被害者等の支援は,二次被害を生じさせることのないよう行われるとともに,犯罪被害者等に関する個人情報の適切な取扱いの確保に最大限配慮し,適切に行われなければならない。

(町の責務)

第4条 町は,前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき,関係機関等との連携を図りながら,犯罪被害者等の支援に関する施策を講じるものとする。

(町民等の責務)

第5条 町民等は,基本理念に基づき,犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性について理解を深めるとともに,町及び関係機関等が行う犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は,基本理念に基づき,犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性について理解を深めるとともに,町及び関係機関等が行う犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は,犯罪被害者等である従業員の就労に関し,十分配慮するよう努めるものとする。

(総合的支援体制の整備)

第7条 町は,関係機関等と連携し,及び協力して,犯罪被害者等の支援を円滑に行うことができるように,総合的な支援体制を整備するものとする。

(相談及び情報の提供等)

第8条 町は,犯罪被害者等が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるようにするため,犯罪被害者等が直面している問題について相談に応じ,必要な情報の提供及び助言を行うものとする。

2 町は,前項に規定する相談及び情報の提供等を総合的に行うための窓口を設置するものとする。

(日常生活等の支援)

第9条 町は,犯罪等の被害により日常生活を営むことについて支障がある犯罪被害者等に対して,安心して日常生活を営むことができるようにするため,その心身の状況等に応じた適切な保健医療サービス,福祉サービス,日常生活等の支援に関する情報の提供及び助言その他の必要な支援を行うものとする。

(居住の安定)

第10条 町は,犯罪等により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等に対して,住居の安定を図ることができるようにするため,居住に関する情報の提供,町営住宅への入居における特別な配慮その他の必要な支援を行うものとする。

(雇用の安定)

第11条 町は,犯罪被害者等の雇用の安定を図るため,関係機関等と連携し,犯罪被害者等が置かれている状況について事業者の理解を深めるための啓発活動その他の必要な支援を行うものとする。

(経済的負担の軽減)

第12条 町は,犯罪等の被害による経済的負担の軽減を図るため,犯罪被害者等のうち当該負担を軽減する必要がある者に対し,支援金の支給を行うものとする。

2 前項に規定する支援金の支給に関し必要な事項は,町長が別に定める。

(町民等の理解促進)

第13条 町は,犯罪被害者等が犯罪等により受けた被害から回復し,平穏な生活を取り戻すことができるよう,犯罪被害者等が置かれている状況,犯罪被害者等の支援の必要性及び二次被害の防止の重要性について,町民等の理解を深めるための広報活動及び啓発活動を行うものとする。

(町内に住所を有しない者への支援)

第14条 町は,町民等でない者が町内で発生した犯罪等により被害を受けたときは,その者が住所を有する市町村と連携し,及び協力して,犯罪被害者等が直面している問題について相談に応じ,必要な情報の提供及び助言を行うものとする。

(支援の制限)

第15条 町は,犯罪被害者等が犯罪等を誘発した場合その他犯罪被害者等の支援を行うことが社会通念上適切でないと認められる場合は,支援を行わないことができる。

(委任)

第16条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,町長が別に定める。

この条例は,令和6年4月1日から施行する。

門川町犯罪被害者等支援条例

令和5年12月13日 条例第23号

(令和6年4月1日施行)