○パワー・ハラスメントの防止等に関する要綱
平成24年12月1日
教育委員会要綱第9号
(目的)
第1条 この要綱は,パワー・ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにパワー・ハラスメントに起因する問題が生じた場合に適切に対応するために必要な事項を定めることにより,職員(臨時職員及び非常勤職員を含む。以下同じ。)の人格が尊重され,安心して働くことのできる良好な職場環境づくりを促進することを目的とする。
一 パワー・ハラスメント
同じ職場で働く者に対して,職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に,業務の適正な範囲を超えて,精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為
二 パワー・ハラスメントに起因する問題
パワー・ハラスメントのため職員の勤務環境が害されること及びパワー・ハラスメントへの対応に起因して職員がその勤務条件につき不利益を受けること。
(校長の責務)
第3条 校長は,職員がその能力を十分に発揮できるような勤務環境を確保するため,自身の言動に注意を払うとともに,職員に対しては日常の業務を通じた指導等を行うことにより,パワー・ハラスメントの防止及び排除に努めなければならない。
2 校長は,パワー・ハラスメントに起因する問題が生じた場合においては,必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。この場合において,パワー・ハラスメントに対する苦情の申出,当該苦情等に係る調査への協力その他パワー・ハラスメントに対する職員の対応に起因して,当該職員が職場において不利益を受けることがないよう配慮しなければならない。
3 校長は,パワー・ハラスメントの防止等を図るため,職員に対し,必要な研修を実施する等その趣旨の徹底に努めなければならない。
(職員の責務)
第4条 職員は,別紙1に定める指針に従い,パワー・ハラスメントの防止及び排除に努めるとともに,パワー・ハラスメントが行われていることを知った場合には,次条に定める相談員に速やかに相談しなければならない。
2 職員を監督する地位にある者(校長を除く。)は,良好な勤務環境を確保するため,自身の言動に注意を払うとともに,職員に対しては日常の業務を通じた指導等を行うことにより,パワー・ハラスメントの防止及び排除に努めなければならない。また,パワー・ハラスメントに起因する問題が生じた場合には,迅速かつ適切に対処しなければならない。
(苦情相談への対応)
第5条 パワー・ハラスメントに関する職員からの苦情の申出及び相談(以下「苦情相談」という。)に対応するため,相談員を配置する。
2 相談員は,校長,教頭及び校長が指名する男女各1名の職員並びに保護者の中から校長が指名する2名の者とする。なお,相談員全員の氏名については,関係者への周知を徹底するものとする。
3 相談員は,別紙2に定める指針に従い,苦情相談に係る問題の事実関係の確認及び当事者に対する助言等により,当該問題を迅速かつ適切に解決するよう努めるものとする。この場合において,関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに,知り得た秘密を厳守しなければならない。
4 相談員は,職員の苦情相談が校長等のパワー・ハラスメントに関するものである場合など,必要に応じ,相談者の意向を確認の上,他の相談員と相互に連携して当該問題の解決を図るものとする。
5 職員は,第2項に掲げる相談員への苦情相談のほか,門川町教育委員会並びに宮崎県教育庁教職員課への苦情相談を行うことができる。
(苦情相談の報告)
第6条 職員を監督する地位にある者は,苦情相談の報告を受けた場合には,速やかに門川町教育委員会まで報告するものとする。また,苦情相談の有無については,定期的に報告するものとする。
附則
この告示は,平成24年12月1日から施行する。
附則(令和元年10月18日教育委員会告示第4号)
この告示は,公表の日から施行する。
別紙1
パワー・ハラスメントの防止のために職員が認識すべき事項についての指針
第1 パワー・ハラスメント(以下「パワハラ」という。)をしないようにするために職員が認識すべき事項
1 意識の重要性
パワハラをしないようにするためには、職員一人一人が、次の事項の重要性について十分認識しなければならない。
(1) お互いの人格を尊重しあうこと。
(2) お互いが大切なパートナーであるという意識を持つこと。
2 基本的な心構え
職員は、パワハラに関する次の事項について十分認識しなければならない。
(1) パワハラは、人によって受け止め方が異なるので、受け止める相手の立場に立った判断が重要であること。
具体的には、次の点について注意する必要がある。
① 指導のつもりであったとしても、指導の方法によっては相手を傷つけてしまう場合があるため、相手に見合った指導を行うこと。
② 「口が悪いのは愛情の裏返し」、「毒舌も個性」などと思い込まないこと。
③ 相手との良好な人間関係が形成されているので、「この程度でパワハラと思われるわけがない。」などと勝手に思い込まないこと。
(2) 小さなことでも繰り返し攻撃されることにより、精神的なダメージは大きくなるため、相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返さないこと。
(3) パワハラに当たるか否かについて、相手からいつも明確な意思表示(拒否、抗議等)があるとは限らないこと。
(4) パワハラは、職員個人間のトラブルではなく、職員の勤務環境を悪化させる職場の問題として認識すること。
(5) 職場でのパワハラにのみ注意するのでは不十分であり、レクリエーションや懇親会等、職場外においても十分注意すること。
(6) 職員間のパワハラにのみ注意するのでは不十分であり、児童生徒やその保護者など、職員がその職務に従事する際に接することとなる職員以外の者及び委託契約又は派遣契約により同じ職場で勤務する者との関係にも十分注意すること。
(7) パワハラは、上司から部下に対するものだけではなく、同僚同士、部下から上司などの場合も起こりうるので注意すること。
3 パワハラになり得る言動
パワハラは、業務上の命令又は指導とどう線引きするのか難しい側面を持っている。指導から始まったものが、いつの間にかエスカレートしてパワハラになってしまうケースもあり、その違いを認識することが大切である。
(1) 業務上の指導・注意とパワハラとの違い
① パワハラの境界線
業務上の指導・注意とパワハラとの判断基準は、それが業務上必要な指導の範囲を超えた「嫌がらせ」行為に該当するか否かである。
業務を適切に遂行するために、上司から時には叱責を受けることもあるが、その叱責が適切な指導の範囲内であり、客観的に見て「嫌がらせ」行為と言えなければ、パワハラには該当しない。また、受け手の気持ちだけが判断基準でないところが、セクシュアル・ハラスメントとは異なる。
一方、指導とは名ばかりの言葉や態度で、精神的苦痛を与えるものは、パワハラに該当すると考えられる。
② パワハラの判断上の課題
上司が部下に精神的に苦痛を与えていることを分かっていながら、パワハラを行っている場合でも、その行為が業務上の命令や指導という名の下で行われている場合は表面化しにくいという問題があるため、注意が必要である。
パワハラか否かの線引きは画一的には困難であり、行為の違法性や被害の程度、業務上の必要性、他の職員との比較など多角的な視点から判断する必要がある。
(2) パワハラの行為類型(典型的なものであり、すべてを網羅するものではないことに留意する必要がある)
① 身体的な攻撃(暴行・傷害)
ア ネクタイを引っ張る、叩く、蹴る。
イ 決裁書類を投げつける。
② 精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
ア 机を叩いて、相手を脅す。
イ 「私に恥をかかせる気か」、「役立たず」、「辞表を書け」、「消えろ」、「給料泥棒」など、適正な指導レベルを超えて激しく叱責する。
ウ 一つの些細なミスを何度も非難する。
エ 人前で大声で命令したり、声高に叱るなど、見せしめに類する言動をする。
オ 「お前の仕事のやり方は全くなっていない」、「何をやらせても駄目だ」など、具体的な指示をすることなく、仕事や能力を否定する。
カ 「だからお前はダメなんだ」、「お前のようなバカはいない」など、人格を否定する。
③ 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
ア 事務を進めるにあたり、担当者を無視し、その者を職場で孤立させる。
イ 故意に業務上の意見を述べさせない、必要な打合せに参加させないなど、業務から無理矢理排除する。
ウ 部下からの相談等を拒絶したり、「出入り禁止だ」などと協議のための入室を禁止する。
エ 一人だけ、親睦行事にいつも参加させない。
オ 回覧文書を回さない。
④ 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
ア 実務上の必要性を超えた、過大あるいは精緻な資料づくりのために、長時間の残業を強要する。
イ 故意に、必要のないやり直しを何度も命じる。
ウ 故意に、業務の指示を何度も変更する。
エ 合理性がないのに、理由も言わず決裁を保留したり、突き返したりする。
オ 県教育委員会の方針とは異なる、自分個人のやり方・考え方を部下に無理矢理押し付ける。
カ 自分の責任を棚に上げ、部下に責任をなすりつける。
⑤ 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
ア 雑用しかさせないなど、経験や職責に応じた仕事を与えない。
イ 理由もなく仕事を取り上げる。
⑥ 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
ア 緊急の業務ではないのに、休日や深夜に部下に連絡を入れる。
イ 飲み会等の親睦行事に強制的に参加させたり、飲酒を強要する。また、付き合いを断ったときに、業務上で嫌がらせをする。
ウ 私物の買い物をさせたり、業務とは関係のないコピー等の雑用を強要する。
エ 退庁後に尾行する。
4 懲戒処分
パワハラの態様等によっては、信用失墜行為や全体の奉仕者たるにふさわしくない非行などに該当し、懲戒処分に付されることがある。
第2 職場の構成員として良好な勤務環境を確保するために認識すべき事項
勤務環境はその構成員である職員の協力の下に形成される部分が大きいことから、パワハラにより勤務環境が害されることを防ぐため、職員は、次の事項について、十分留意して必要な行動をとること。
(1) 業務に対する部下の態度等に問題があるときなどは、上司として指導しなければならない場合もあるが、その際には、部下の人格を否定するような発言は慎み、仕事に対する姿勢や進め方など具体的に改善すべき点について注意すること。
(2) 部下は、職務への影響や将来の人事異動等のことを考えて、パワハラと思われる言動に対して必ずしも抗議等の明確な意思表示をするとは限らず、我慢しているケースもあると思われることから、「もっと厳しく指導しても大丈夫だ」などと勝手に思い込まないこと。
(3) 上司が部下に対して、コミュニケーションのつもりで懇親会やレクリエーションへの参加を要請したとしても、部下にも都合があることから、半ば強制的な参加はパワハラになる可能性もあるので、注意すること。
(4) 語学やパソコン等に長けた部下が、これらを苦手とする上司に対し、「あなたが上司だと仕事が進まないんですよ」と暴言を吐く場合など、パワハラは上司から部下に対するものだけではなく、同僚同士、部下から上司などの場合も起こり得るので注意すること。
(5) 最も重要なことは、職員一人一人が普段からコミュニケーションを大切にし、誤解や行き違いを生まないように十分留意することである。苦手とする相手と接する場合においても、日々の「報告・連絡・相談」など業務上のコミュニケーションは怠らないこと。
(6) ストレスに強くなることも大切であり、言われたことを気にして考え過ぎてしまうと、精神のバランスを欠くばかりか、相手によっては、さらにたたみかけてくる場合もあることから、受け流す余裕を持つこと。
(7) 自分が「パワハラを受けたかもしれない」と周りの人に知らせることで、パワハラの深刻化を防いだり、自分を理解してくれる人がいることにより精神的に楽になることから、周りに相談できる相手をつくっておくこと。
第3 パワハラに起因する問題が生じた場合において職員に望まれる事項
1 被害を受けた職員
パワハラを受けた場合、一人で我慢しているだけでは、必ずしも状況は改善されず、多くの場合、一人で解決を図ることは困難であることから、被害を深刻にしないためにも、次のような行動が望まれる。
(1) 嫌なことは相手に対して明確に意思表示をすること。
パワハラは、加害者が気付かずに行っている場合が多くあるため、「私は口の悪い人間だから」など、認識なくパワハラを行う上司に対しては、その言動がパワハラに該当するということを気付かせることが大切であること。
(2) 信頼できる家族、友人、上司等に話を聞いてもらうこと。
パワハラにより、不安が増大し、精神的に不安定な状態では、業務に集中できず、健康を害してしまうなど悪循環に陥りやすくなることから、信頼できる家族や友人、上司等に話を聴いてもらい、気持ちをすっきりさせることが大切であること。その際、感情的になって話をすると、自分の思いが十分伝わらないことから、事前に内容をまとめ、できるだけ落ち着いた態度で臨むこと。
(3) リラクゼーションに努めること。
心と身体は繋がっていることから、趣味や運動などにより身体の緊張をほぐすことにより、心の緊張感がほぐれるようリラクゼーションを心がけること。
(4) 専門家の受診を躊躇しないこと。
パワハラにより、メンタルヘルス不全に陥ることが多いことから、早めにカウンセラーに相談したり、心療内科、精神科など専門医の診察を受けることを躊躇しないこと。
2 周囲の職員
パワハラは、いつでも誰でも、被害者にも加害者にもなり得るため、パワハラを見聞きした職員は、加害者に注意を促したり、被害者の話を聴いてあげるなど、精神的な支援を心がけること。また、加害者にパワハラの事実を伝え、被害者には苦情相談・受付窓口を活用するように勧めるなど、適切な措置を講じること。
3 監督者(加害者の上司)である職員
(1) 加害者に注意を促すこと。
パワハラを行っていることに本人が気付いていない場合が多いため、早めに注意を促すことにより、深刻な事態に発展することを防ぐこと。この場合において、事態が逆に深刻化しないよう十分留意すること。
(2) 被害者に声をかけて相談に乗ること。
被害者は、相談したいと思いながら相談できずにいる場合が多いため、積極的に声をかけ、話を聴くことが大切である。その上で、被害者の不利益にならないよう、加害者に対して指導すること。
(3) 職場全体の問題として捉え対応すること。
パワハラに起因する問題への対応によっては、組織としての使用者責任に繋がることもあるため、被害者及び加害者双方の意見を聞いて早めの解決を図ること。なお、問題が発生した場合には、速やかに門川町教育委員会に報告すること。
第4 苦情相談・受付窓口
1 相談窓口
(1) 門川町教育委員会教育総務課人事担当
直通電話:0982―63―1140
(2) 教職員課学校人事担当
直通電話:0985―26―7241
メールアドレス:[email protected]
別紙2
パワー・ハラスメントに関する苦情相談に対応するに当たり留意すべき事項についての指針
第1 基本的な心構え
相談員は、職員からの苦情相談に対応するに当たって、次の事項に留意する必要がある。
1 被害者を含む当事者にとって、適切かつ効果的な対応は何かという視点を常に持つこと。
2 事態を悪化させないために、迅速な対応を心がけること。
3 関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守すること。
第2 苦情相談の進め方
1 苦情相談を受ける際に相談員が留意すべき事項
(1) 相談員は、苦情相談に適切に対応するため、相互に連携し、協力すること。
(2) 実際に苦情相談を受けるに当たっては、その内容を相談員以外の者に見聞されないよう、周りから遮断した場所で行うこと。
2 相談者から事実関係等を聴取するに当たり留意すべき事項
苦情相談を行う職員(以下「相談者」という。)から事実関係を聴取するに当たっては、次の事項に留意する必要がある。
(1) 相談者の求めるものを把握すること。
将来の言動の抑止等、今後も発生が見込まれる言動への対応を求めるものであるのか、又は喪失した利益の回復、謝罪要求等過去にあった言動への対応を求めるものであるのかについて把握すること。
(2) 対応の時間的な余裕(緊急性)の有無を把握すること。
相談者の心身の状況等に鑑み、苦情相談への対応に当たりどの程度の時間的余裕があるのかを把握すること。
(3) 相談者の主張に真摯に耳を傾け丁寧に話を聴くこと。
特に相談者が被害者の場合、パワー・ハラスメント(以下「パワハラ」という。)を受けた心理的な影響から必ずしも理路整然と話すとは限らず、むしろ脱線することも十分想定されるが、事実関係を把握することは極めて重要であるので、忍耐強く聴くよう努めること。
(4) 事実関係については、次の事項を中心に把握すること。
① 当事者(被害者及び加害者とされる職員)間の関係
② 問題とされる言動が、いつ、どこで、どのように行われたか。
③ 相談者は、加害者とされる職員に対してどのような対応をとったか。
④ 相談者の対応を受け、加害者とされる職員はどうしたか。
⑤ 他の相談員に対する相談を行っているか。
⑥ 当事者のみが知り得るものか、又は他に目撃者はいるのか。
(5) 聴取した事実関係等を相談者に確認すること。
聞き間違えの修正並びに聞き漏らした事項及び言い忘れた事項の補充のため、聴取事項を書面で示したり、復唱するなどして相談者に確認すること。
(6) 聴取した事実関係等については、苦情相談記録票(別紙様式)により、必ず記録するとともに、記録した苦情相談記録票の写しを速やかに門川町教育委員会に報告すること。
3 加害者とされる職員からの事実関係等の聴取
(1) 原則として、加害者とされる職員から事実関係を聴取する必要がある。ただし、パワハラが職場内で行われ比較的軽微なものであり、対応に時間的余裕がある場合などは、校長等の観察・指導による対応が適切な場合も考えられるので、その都度適切な方法を選択して対応する。
なお、事実関係の聴取については校長が行うが、校長自身が加害者とされる事案等については、門川町教育委員会が実施するものとする。
(2) 加害者とされる者から事実関係等を聴取する場合は、相談者の了解を得た上で実施すること。聴取の際には、加害者とされる者に対して十分な弁明の機会を与え、いきなり加害者扱いとしないこと。
(3) 加害者とされる者から事実関係等を聴取するに当たっては、その主張に真摯に耳を傾け丁寧に話を聴くなど、相談者から事実関係等を聴取する際の留意事項を参考にし、適切に対応すること。
4 第三者からの事実関係等の聴取
職場内で行われたとされるパワハラについて、当事者間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできないと認められる場合などは、第三者から事実関係等を聴取することも必要である。この場合、相談者から事実関係等を聴取する際の留意事項を参考にし、適切に対応すること。
5 相談者に対する説明
苦情相談に関し、具体的にとられた対応については、相談者に説明すること。
6 その他
職員からの苦情相談はないものの、教職員課が特に必要と認めた場合には、苦情相談を受けた場合に準じて対応すること。
第3 問題処理のための具体的な対応例
苦情相談に対応するに当たっては、パワハラに関して相当程度の知識を持ち、個々の事例に即して柔軟に対応することが基本となることは言うまでもないが、具体的には、事例に応じて次のような対処が方策として考えられる。
1 パワハラを受けたとする職員からの苦情相談
(1) 校長等が状況を観察し、加害者とされる職員に指導する。
(例)
職場内で行われるパワハラのうち、その対応に時間的な余裕があると判断されるものについては、校長等が状況を観察し、加害者とされる職員の言動のうち問題があると認められるものを適宜注意する。
(2) 加害者に対して直ちに注意する。
(例)
パワハラに該当する行為又はパワハラに近い行為を頻繁に行うことが問題にされているにもかかわらず、加害者とされる職員がパワハラであるとの意識がない場合には、当該職員に対し、その行動がパワハラに該当することを指摘した上で指導する。その際には、逆にパワハラに拍車がかかることのないよう注意する。
(3) 相談者に対して指導、助言する。
(例)
職場でのパワハラにより、相談者がそれを苦痛に感じている場合で、上記の指導や注意等では、改善が見込まれないような場合は、相談者の了解を得た上で、相談員が門川町教育委員会に報告する。
2 第三者からの苦情相談
(例)
職員がその上司等からパワハラに該当する行為を日常的に繰り返し受けているのを見て、心配に感じたり不快に思ったりする職員から相談があった場合において、当該職員及び当該上司等から事情を聴き、その事実がパワハラであると認められるときは、その上司等に対して直接に注意を促す、あるいは相談者の了解を得た上で、相談員が門川町教育委員会に報告する。