○門川町認知症初期集中支援事業実施要綱
平成29年3月29日
告示第12号
(総則)
第1条 この要綱は,介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第115条の45項第2項第6号に基づく認知症総合支援事業における認知症初期集中支援事業について,法及び介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号。以下「省令」という。)に定めるもののほか,必要な事項を定めるものとする。
(目的)
第2条 認知症になっても本人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域で暮らし続けられるよう,認知症の人とその家族等に対し,早期に関わる門川町認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し,早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。
(定義)
第3条 この要綱における用語の意義は,法及び省令の例による。
(訪問支援対象者)
第4条 事業における訪問支援の対象者は,原則として40歳以上で,在宅で生活しており,かつ,認知症の疑われる者又は介護サービスを受けていない者又は中断している者であって,次のいずれかに該当する者(以下「訪問対象者」という。)とする。
(1) 医療サービス又は介護サービスを受けていない者又は中断している者で次のいずれかに該当する者
ア 認知症疾患の臨床診断を受けていない者
イ 継続的な医療サービスを受けていない者
ウ 適切な介護サービスに結びついていない者
エ 介護サービスが中断している者
(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが,認知症の行動及び心理症状が顕著なため,家族等が対応に苦慮している者
(実施体制)
第5条 町長は,認知症疾患医療センターを含む病院等の適切な事業運営が確保できる団体等に支援チームを配置する。
2 支援チームは,認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師の指導の下,複数の専門職が家族の訴え等により訪問支援対象者及びその家族の初期の支援を包括的及び集中的に行うことにより,自立生活のサポートを行うものとする。
3 支援チームは,門川町地域包括支援センター職員,門川町担当職員,かかりつけ医,国が定める認知症サポート医養成研修(以下「認知症サポート医研修」という。)を受講した医師(以下「認知症サポート医」という。),認知症専門医,介護事業者等との連携を常に意識し,情報が共有できる仕組みを確立するものとする。
(支援チームの構成)
第6条 支援チームの構成員(以下「チーム員」という。)は,専門職及び専門医とする。この場合において,専門職の数は2名以上とする。
(1) 専門職は,次のいずれにも該当する者とする。
ア 保健師,看護師,作業療法士,精神保健福祉士,社会福祉士,介護福祉士等の医療保健福祉に関する国家資格を有する者。
イ 認知症ケアの実務経験が3年以上又は在宅ケアの実務経験が3年以上ある者。
ウ 国が定める認知症初期集中支援チーム員研修を受講し,試験に合格した者(以下「研修受講者」という。)。ただし,研修受講者であるチーム員と当該研修の受講内容を支援チーム内で共有する者の支援チームへの参加も可能とする。
(2) 専門医は,次のいずれかに該当する医師とする。
ア 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかであって,かつ認知症サポート医である者。
イ 日本老年精神学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかであって,かつ今後5年間において認知症サポート医研修を受講する予定のある者。
ウ 認知症サポート医であって,認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有し,かつ,認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている者。
(支援チームの役割)
第7条 専門職は,訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために,訪問支援対象者及びその家族(以下「訪問支援対象者等」という。)に対して訪問活動等を行うものとする。
2 専門医は,認知症に関して専門的見識からの他のチーム員に次に掲げる指導,助言等を行い,必要に応じて他のチーム員とともに訪問支援対象者等を訪問し相談に応需するものとする。
(1) 推進員等からの相談に対する医療的見地からの助言
(2) 認知症の人を専門医療機関につなぐための関係機関との調整
(3) 地域において認知症の人への支援を行う関係者の会議への出席・助言等
3 訪問対象者等の初回の観察・評価の訪問(以下「初回訪問」という。)は,原則として2名以上のチーム員で行い,次に掲げる支援を行うものとする。
(1) 認知症の包括的な観察及び評価
(2) 基本的な認知症に関する正しい情報の提供
(3) 専門的医療機関への受信及び介護保険サービスの利用の効果に関する説明
(4) 訪問支援対象者等に対する心理的サポート及び助言等
4 支援チームは,訪問支援対象者等及びあらかじめ協力の得られる者が同席できるよう調整を行い,当該訪問支援対象者の現病歴,既往歴,生活情報,家族の状況等の情報を収集するものとする。
(訪問対象者等の把握)
第8条 門川町及び門川町地域包括支援センターは,支援チームが訪問支援対象者等に関する情報を入手できるよう務めるものとする。
2 チーム員が直接訪問支援対象者等に関する情報を知り得た場合は,チーム員は,必ず門川町及び門川町地域包括支援センターと情報共有するものとする。
(チーム員会議の開催)
第9条 支援チームは,チーム員が初回訪問後,訪問支援対象者ごとに,観察・評価内容を総合的に確認し,支援方針,支援内容,支援頻度等を検討するため,専門医を含むチーム員会議を行うものとする。
2 支援チームは,必要に応じ,訪問支援対象者のかかりつけ医,への出席を求めることができる。
3 門川町及び門川町地域包括支援センター職員は,必要に応じ,チーム員会議へ出席することができる。
(初期集中支援の実施)
第10条 支援チームは,訪問支援対象者が医療サービス又は介護サービスによる安定的な支援に移行するまで概ね6月間,訪問支援対象者等に対し,次に掲げる初期集中支援を実施するものとする。
(1) 医療機関への受診が必要な場合の動機付け
(2) 継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援
(3) 介護サービスの利用等の勧奨及び誘導
(4) 認知症の重症度に応じた助言
(5) 身体を整えるケア
(6) 生活環境等の改善
(7) その他必要な初期集中支援
(引継ぎ及び引継ぎ後のモニタリング)
第11条 支援チームは,訪問支援対象者等への初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合,当該訪問支援対象者の担当介護支援専門員又は門川町地域包括支援センターの職員との同行訪問を行う等の方法により,当該介護支援専門員等に円滑に引き継ぎを行うものとする。
2 支援チームは,前項の引継ぎの2月後に,当該訪問支援対象者に係る医療サービス及び介護サービスの利用状況等を評価し,支援の必要性を判断の上,随時モニタリングを行うものとする。
3 訪問支援対象者に関する情報,観察・評価結果,初期集中支援の内容を記録した書類は,5年間保管するものとする。
(実績報告)
第12条 支援チームは,国が定める様式により,町長あてに実績報告を行うものとする。
(秘密保持の義務)
第13条 支援チームは,門川町個人情報保護条令(平成16年9月13日条例第11号)の定めに従い,事業に関し知り得た個人に関する情報及びプライバシーの尊重・保護に万全を期すものとし,正当な理由がなく知り得た情報を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(活動状況の検討)
第14条 医療,保健及び福祉に携わる関係機関等により構成する門川町認知症施策検討委員会において,支援チームの活動状況を検討・評価するものとする。
(普及啓発)
第15条 町長は,町民,関係機関,関係団体等に対し,支援チームの役割及び機能について後方活動及び協力依頼を行う等,普及啓発に努めるものとする。
(連携及び情報共有)
第16条 町長は,支援チーム,医療関係者,介護サービス事業者等と連携し,これらの相互の情報共有ができる体制を確保できるよう努めるものとする。
(庶務)
第17条 支援チームの庶務は,健康長寿課介護保険係において処理する。
(委任)
第18条 この要綱の施行について必要な事項は,町長が別に定める。
附則
この告示は,平成29年4月1日から施行する。
附則(令和3年4月1日訓令第65号)
この要綱は,公布の日から施行する。