○門川町環境基本条例
平成16年3月22日
条例第6号
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 環境の保全に関する基本的施策(第7条―第18条)
第3章 門川町環境審議会(第19条)
第4章 雑則(第20条)
附則
わたしたちのふるさと門川は,青い空と紺碧の海,清流五十鈴川をはじめとする中小の川,緑豊かな大地からなる豊かな恵みは古来より町民にその恵沢をもたらしてきた。
しかしながら,今日にあってはその物質的豊かさの生活を求める消費的社会からもたらされる環境への負荷の増大や自然生態系への影響など,さらに,地球環境問題など人類の生存を脅かすおそれを生じさせるに至っている。
このため,わたしたちひとり一人が,この現実を直視し,深い認識の上にたって環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会の構築を目指して,新たな取組を展開していかなければならない。
ここに,町民すべての参加の下,わたしたちの美しいふるさと門川町を後世に継承していくため,この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,環境の保全について,基本理念を定め,並びに町,事業者及び町民の責務を明らかにするとともに,環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより,環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もって現在及び将来の町民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって,環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行,海洋の汚染,野生生物の種の減少その他地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって,人類の福祉に貢献するとともに町民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(3) 公害 環境の保全上の支障のうち,事業活動その他人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって,人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全は,次の各号に掲げる基本理念に基づき行わなければならない。
(1) 町民が健康で文化的な生活に欠くことのできない健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに,人と自然との共生が将来にわたって確保され継承できること。
(2) 公害の防止並びに資源の適正な管理及び循環的な利用を推進し,環境への負荷が少ない持続的発展が可能な社会を構築することを目的として,すべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的な取組みを行うこと。
(3) 地球環境の保全は,すべての事業活動及び日常生活において積極的に推進すること。
(町の責務)
第4条 町は,環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し,及び実施する責務を有する。
(町民の責務)
第5条 町民は,環境の保全上の支障を防止するため,その日常生活において,廃棄物の減量,資源の有効な利用等により環境の負荷の低減に努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか,町民は,環境の保全に自ら努めるとともに,町が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
(事業者の責務)
第6条 事業者は,その事業活動を行うに当たっては,これに伴って生ずるばい煙,汚水,廃棄物等の処理その他の公害を防止し,又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。
2 前項に定めるもののほか,事業者は,その事業活動に関し,これに伴う環境への負荷の低減及び廃棄物の減量,資源物の再利用による環境への負荷の低減等その他の環境の保全に自ら努めるとともに,町が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
第2章 環境の保全に関する基本的施策
(施策の策定等に関する基本指針)
第7条 環境の保全に関する施策の策定及び実施は,基本理念にのっとり,次に掲げる事項の確保を旨として,各種の施策と相互の連携を図りつつ総合的かつ計画的に行わなければならない。
(1) 町民の健康が保護され,及び生活環境が保全され,並びに自然環境が適正に保全されるよう,大気,水,土壌等その他の環境の自然的構成の要素が良好な状態に保持されること。
(2) 生態系の多様性の確保,野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに,森林,農地,水辺地等の多様な自然環境がその地域の特性に応じた自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。
(3) 人と自然との豊かな触れ合いを確保するため,緑の創造,良好な景観の形成及び歴史的文化遺産が保全されること。
(4) 廃棄物の減量及び適正処理を進め,資源の循環的な利活用を促進するとともに,エネルギーの有効な活用が図られること。
(5) 地球温暖化の防止等地球環境保全に貢献できること。
(6) その他環境への負荷の低減が図られること。
(環境基本計画)
第8条 町長は,環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,前条の各号に定める基本指針に基づき門川町環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を定めるものとする。
2 町長は,環境基本計画を定めるに当たっては,町民及び事業者の意見を反映できるよう努めるものとする。
3 町長は,環境基本計画を定めるに当たっては,あらかじめ門川町環境審議会の意見を聴かなければならない。
4 町長は,環境基本計画を定めたときは速やかにこれを公表するものとする。
5 前3項の規定は,環境基本計画の変更について準用する。
(施策の策定等に当たっての整合)
第9条 町は,施策を策定し,又は実施するに当たっては,環境基本計画との整合を図り,環境の保全について配慮しなければならない。
(規制の措置)
第10条 町は,公害の防止,又は自然環境その他町民の健康及び生活環境の保全上の支障を防止するため,必要な措置を講じなければならない。
(資源の循環的な利活用等の促進)
第11条 町は,環境への負荷の低減を図るため,町民及び事業者と協力して,廃棄物の減量,再生利用等,資源の循環的な利活用及びエネルギーの有効な利用が促進されるよう必要な措置を講じるように努めるものとする。
(水環境と緑豊かな環境の確保)
第12条 町は,町域にかかる川,ため池,海及び海岸等の水環境及び森林その他の緑地の環境を保全し,又は創造に努めるものとする。
(町民等の自発的活動の支援)
第13条 町は,町民及び民間団体並びに事業者等が,環境の保全を目的とした環境の負荷の低減が促進される活動及び事業等を自ら行うときは,必要な助言その他の支援に努めなければならない。
(推進体制)
第14条 町は,環境の保全にかかる総合的政策の実効性の確保と体系的な推進を図るため,環境政策推進の組織づくりに努めるものとする。
(環境教育及び環境学習の振興)
第15条 町は,町民及び事業者が,環境の保全についての理解を深めるとともに,自発的な環境の保全に関する活動が促進されるよう,生涯を通じた環境の保全に関する教育及び学習を振興し,並びに環境の保全に関する広報活動を充実するために必要な措置を講じるように努めるものとする。
(調査及び研究の実施)
第17条 町は,環境の保全に関する施策を策定し,及び適正に実施するため,公害の防止,自然環境の保全その他の環境の保全に関する事項について,必要な調査及び研究を実施するものとする。
(監視等の体制の整備)
第18条 町は,環境の状況を把握し,及び環境の保全に関する施策を適正に実施するため,国,県及び他の地方公共団体と連携を図りながら,必要な監視,測定等の体制の整備に努めるものとする。
第3章 門川町環境審議会
(審議会の設置)
第19条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき,本町に門川町環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は,次に掲げる事務を行う。
(1) 第8条第3項に規定する環境基本計画に関する事項を処理すること。
(2) 環境の保全に関する基本的事項及び重要事項を調査審議すること。
(3) 前2号に掲げるもののほか,他の法令の規定によりその権限に属せられた事務
3 審議会は,前項に規定する事項に関し,町長に意見を述べることができる。
4 審議会は,委員10名以内で組織する。
5 前4項に定めるもののほか,審議会の組織及び運営に関し必要な事項は,規則で定める。
第4章 雑則
(補則)
第20条 この条例に定めるもののほか,必要な事項は別に定める。
附則
この条例は,公布の日から起算して6月を越えない範囲内において規則で定める日から施行する。
(平成16年規則第4号により平成16年9月17日から施行)